大学を卒業してから30年以上、病院・診療所や高齢者施設等を中心として設計実務一筋にひたすら頑張ってきました。クライアントにも恵まれて、浜松市に本拠地のある聖隷福祉事業団の仕事や、みやぎ県南中核病院といった大型プロジェクトだけでなく、クリニックや住宅などの設計を通じていろいろな方と出会うことが出来ました。時には激論を交わし、時にはお酒を飲んで。ある程度の経験を積んで、ようやく建築設計にとって大事なものが見えてきた気がします。
クライアントの言いなりでもなく、設計者の押し付けでもなく、本当に必要なことを選び抜いて誠実に実現する、当たり前のことを自分のものにするには時間が必要なんですね。建築家は60歳過ぎてからが一人前、と昔から言われています。体力の衰えを気にしつつ、もっともっといい出会いを重ねて、クライアントはもちろん、その建物にかかわる方達すべてに喜んでもらえる建物を作って行きたいと願っています。 |